試練1:鍵穴とトビラ(ディルドオナニー)

あらすじ

 機械触手の罠を抜けると現れたのはピンク色の大扉。
 明らかに怪しいそれにこれまで以上の覚悟をもって扉を開くアカネたち。
 そこで彼女たちを待ち受けていたものとは……

本文

 目の前にピンク色の大扉がある。


 あの後、ロボットに捕まらないように気を付けながらも歩き回り、ようやく見つけたのがこのピンク色の大扉だった。

 周囲の無機質な様子からは明らかに浮いているその扉は、この先が試練の間だということを如実に表している。


「や〜っと、着いたわ♡」


 ゴクリ、と唾を飲み込んだわたしをよそに、気の抜けた声で話しかけてくるレイちゃん。


「2時間くらいかかったかしら?」

「残念♪1時間23分よん♡」


 体感よりもだいぶ早い。

 それだけ、ロボットに捕まる緊張感や罠に対する警戒で意識が張っていたのだろう。


 それにしても……


「よくそんなに正確に時間がわかるわね」

「レイちゃんはサキュバスの分身体だから♪本体と一緒なら♡大抵のことは出来るの♡♡」

「なるほど?」


 よくわからないが魔法の力、ということだろうか。

 というか、このナマモノが空中に浮いている原理やわたしがゲームの中に入ってきている原理も不明だった……


 考えるだけ無駄、か。

 まぁ、とにかく目の前の試練に集中しよう。


 これまでは罠とロボットを避けて進む迷路パートだったが、これからは試練を乗り越える試練パート。ゲーム的に言うのなら、まだ半分程度しか進んでいない。


 つまり、試練の間にはこれまでの迷宮と同程度の『なにか』があるということだ。

 油断はできない。


 パン!!


 気合を入れるために両手で頬を叩くと覚悟を決めて大扉に手をかけた。


「さて、行きますか」


 両手をつき、身体に思い切り力を入れて大扉を左右に押し開く。

 が、予想よりも軽かった大扉は簡単に開き、勢い余ったわたしは中に転がり込んだ。


 バタン


 後ろで大扉が閉まった音がする。

 すぐさま確認に向かうが、再び開く様子はない。


「プ~、クスクス♪」


 試練の間に転がり込んだわたしをレイちゃんが笑う。

 自身の行動を思い返し、漫画のような行動に頬が色づくのを感じる。


 はたから見たら確かに間抜けだろう。

 だが知ったことではない。こっちは大真面目なのだ。


「そこ!笑うな!!!」

「だって♡アカネちゃんがっ♪」


 しかし、レイちゃんの笑いが収まる様子はない。

 それどころか先ほどよりも笑い声が大きくなっているような……


「まったく」


 あまりの馬鹿馬鹿しさにため息が漏そうになるが思いとどまる。

 気が抜けそうだがここは試練の間だ。まだ、どんな仕掛けがあるか分かったものではない。


「さて、と」


 気を引き締めて改めて室内を観察してみる。

 試練の間の室内は結構広いようだ。小学校の体育館ほどの大きさはあるだろう。


 変わっているところがあるとすれば、入ってきた扉と反対にある扉を除いて、窓やダクトなど外界への出入口がないことだろう。

 扉2つに鍵をかければ完全な密室の出来上がりだ。


「ひとまず、室内を調べてみましょうか」

「なにを調べるの♡♡」

「さしあたり、あっちの扉かしら」


 わたしが入ってきた後ろの扉が開かないのなら、向こう正面の扉から出られるのが道理であろう。

 そのまま出られることはないと思うが、ヒントくらいはあるのではないだろうか。


 ◇ ◇ ◇


 扉の前までやってきたわたしたち。

 向こうから見たら小さく見えたが、実際に近づいてみると入ってきた扉と同じくらい大きかった。


 色や形も入ってきたものと同じだが、唯一異なるところがある。

 扉に文字が刻み込まれているのだ。


『汝、この広間からの脱出を望むのならば鍵と一致する鍵穴を探せ。

 鍵を鍵穴に差し入れ高みへと達したとき、扉は開かれるであろう』


 さらに扉の近くには小さな箱があり、中には3本のディルドが入っているのが確認できた。


「これが、試練……」

「意・味♡わかった???」


 『鍵』はディルド、『鍵穴』は膣、『高みへ達する』は絶頂を示しているのだろう。

 つまり、試練の内容は『この3本の中から当たりのディルドでオナニーして絶頂しろ』ということだ。


「オナニー、すればいいんでしょ?」

「きゃ~♡だいだん♡♡」


 予想を告げるも返ってきたのはふざけた甲高い声のみ。


「はぁ」


 抑えきれなかったため息を漏らすと、改めて3本のディルドを見比べる。


 1本はよくあるシリコンのディルド。

 1本は外国人サイズの黒光りするエナメル質の巨大ディルド。

 1一本はつぶつぶまみれで刺激が強そうな改造ディルド。


 問題は、この中で本物の鍵は1本しかないことだろう。2本は絶頂したところで意味などないということになる。


 ディルドの入った箱の裏や大扉の模様など、ヒントになりそうなものを探し回るが見つかる気配はない。


「ま、3本しかないし、全部でイけば問題ないわね」


 結局、めんどくさくなったわたしは全部のディルドでイくことにした。

 そして、最初に使うバイブだが……


「慣らしも兼ねてコレね」


 手に取ったのは一般的なシリコンのディルドだ。


 というのも、ほかの2本はローションもない状態でいきなり入る気がしない。

 だがシリコンディルドならば興奮で濡れ始めているわたしの膣に今すぐ使えるだろう。


「んっ♡」


 クチッ♡と音を立ててディルドが飲み込まれていく。

 特徴的な形状もないため弱点をかすることもなく、程よい快感を残してそのすべてが膣内なかに沈んだ。


「んはっ♡」


 次いで沈めたディルドをゆっくりと引き抜く。

 付着した愛液が銀糸を伸ばして抵抗するもすぐに切れてしまう。


「……んっ♡」


 そして抜いたディルドを再び膣内なかに沈める。


 単純な往復運動がなぜこんなにも気持ちいいのだろうか。

 罠にかかった時とは違う、身体の奥に直接響くような甘い快楽が次第に脳を犯していく。


「は♡……ん♡……っん♡……っはぁ♡」


 次第に呼吸は荒くなり、比例するように右手の速度は上がる。

 太ももには筋肉の筋が浮き上がり、その時が近いことを示していた。


「んっ♡……はっ♡ん!!!」


 絶頂


 股間から脳みそを貫くような電流が走り、視界が一瞬白く染まった。

 全身がガクガクと震え、痙攣で抜けないようにディルドを両手で押し込む。


「はぁ♡はぁ♡っんく、鍵は?」

「ざ~んねん♡はずれ~♪」


 どうやら外れだったらしい。


「じゃあ」

「残りは2つね♡♡」


 3択を外して落ち込む、と同時に喜ぶ自分がいることに気が付いた。

 まだ、快楽を味わうことができる、と。


 ついさっき、動けなくなるまで機械触手に侵されたばかりだというのに……

 こんなに性欲が強いなんて、一人暮らし直後に戻ったみたいだ。


「レイちゃん、わたしに何かした?」

「何か、って???」


 レイちゃんは顔の正面に回り込むと身体ごと首をかしげる。

 頭の上にはハテナマークが3つほど浮いているように見えた。


 細工をされていないのなら、これがわたし本来の性欲なのだろうか。

 てっきり、媚薬なんかを盛られているのかと思ったが……


「そういえば!ここはゲームだから、身体能力はアバター基準になっているわ♡♡」

「アバター基準?」


 つまり、この湧きあがるような性欲はゲームのアバターのもの?


「性欲だったり~♡感度だったり♪仮に空気で絶頂するようになっても♡♡現実に影響はないわ!!」


 レイちゃんが胸を張って追加の説明をしてくれる。


「つまり、いくら絶頂しても性欲が解消されないのは?」

「アバターの身体が♡満足していないから♡♡」


 なるほど。

 それならば遠慮することなく、存分に絶頂すればよさそうだ。


 疑問が氷解すると、沸々と性欲が湧きあがってきた。


 次に手に取ったのはつぶまみれで刺激が強そうな改造ディルドだ。

 今のわたしならば気持ちよくイくことが出来るだろう。


「休憩は終わり♡?」

「ええ、次はコレよ」


 言うが早いが、改造ディルドを蜜壺に突きこむ。

 一度イってほぐれているそこはディルドを難なく受け入れた。


「んほっ♡」


 1本目のディルドとは違い突起が付いているそれは、挿入時に的確にわたしのGスポットをえぐっていった。


「ふぅ♡ふぅ♡」


 すぐにイきそうになるが、我慢する。

 せっかくならば食べ比べといきたい。そのためには一口で終わるわけにはいかないのだ。


 落ち着いてきたころを見計らい1ピストン。


「んんっ!!!」


 危なかった。

 たった一回の往復でイきかけるとは……


「ふぅ♡レイちゃん、わたしにオナニーを強制する魔法とかないの?」

「あるわよ♡♡」

「それじゃ、1分!1分全力でオナニーするようにして!!」


 1回のピストンでこれなのだ。

 1分も経つ頃にはどうなっているのか、考えたくもない。


 それでもこのディルドで思い切りイってみたい!!


「それじゃ♡いくわよ〜♡♡え〜い♪」


 レイちゃんの指先からピンク色のビームが放たれる。

 よろよろと進んだ光線がわたしに命中すると、身体が勝手に踊り出した。


 じゅぶ♡じゅぶ♡じゅぶ♡じゅぶ♡


 異音を聞き、自分の股間に目を落とす。


「えっ?」


 そこには身体能力の限界を超えたのではないかと思うほど高速で動く両手とディルドが見えた。


「っっっ!!!!ぁぁぁああああああ!!!!!!!」


 次いで襲い来る桃色の奔流ほんりゅう

 神経が焼き切れるほどの快楽が身を焦がし、股間からは『ブシュッー』と壊れた水道のような勢いで体液が漏れる。


 筋肉が痙攣し、とても立っていられる状態ではないが奇跡的なバランスで体制を保つ。

 そして、ディルドの動きも止まることはない。


「いぐいぐいぐいぐ!!っっっ!!!!……いっでるのに!!!!」


 絶頂しようがかまわず快楽を叩き込まれ、機械触手の時と同様の絶頂地獄におちいるが手が止まることはない。


 これは自分が望んだ地獄なのだ。


「ぜっだい!いっぶんだったっでぇぇぇぇ!!!!!いぐっ!!!!」


 Gスポットから絶えず絶頂級の快楽が供給され、一人では躊躇ちゅうちょしてしまうほど強くディルドが突きこまれることでポルチオにも強い刺激が加わっている。


「あと30秒♡」


 まだ半分しか過ぎていない。


「ばぁっ!!!!うぞ、づがないで!!!いぐいぐ、いっぐ!!!!」


 ゴリゴリとディルドが押し付けられることで子宮がつぶされ、ついに中イキしてしまう。

 クリトリスやGスポットとは違い、重くのしかかるような絶頂は今のわたしには激毒すぎた。


「……っっっ!!!!」


 声にならない、とはこのことだろう。

 頭が真っ白になり思考がまとまらない。


 じゅぶじゅぶじゅぶじゅぶ♡


 そんな呆けていたわたしを現実に引き戻したのもまた快楽だった。

 1分間止まることのないオナニーの手はポルチオ絶頂の際も動き続け、真っ白な頭をピンク色で塗りつぶしていく。


「っが!!!……ぁぁあああ!!!!」


 もはや人間の言葉を発する余裕はない。

 股間からは絶えず体液を吹き出し、意識は高みから降りてくることができないでいる。


「あと♡10びょ~う♪」


 途切れかけの意識の中、レイちゃんのカウントダウンが聞こえてきた。

 あと少しの辛抱だ。


「5・4・3・2・い~ち♡」


 やっと終えることが出来る。

 終わりが見えて気が緩み『なんだかんだで気持ちよかったな~』なんて考えたのが悪かったのだろうか。


「これはプレゼントで~す♡♡」


 間の抜けた声とともに、強制オナニー魔法と同じようなピンクの光線がわたしのお腹を貫いた。


「あ゛っ!!!!!!」


 絶頂の深さが一段上がる。

 あとで聞いた話だが、ピンクの光線は強制絶頂の魔法だったらしい。


「っっっ!!!!」


 ポルチオでの重い絶頂と強制絶頂が重なったのも悪かった。

 人のままでは味わうことのできない人外の快楽に、わたしの意識は消失した。



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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 多分ですけど、「罠1」が抜けて「試練1」が2回続いちゃってます

    • 指摘ありがとうございます。
      確認したところ、テンプレートを書き換えた影響で罠の方も試練と同じ内容になっていたようです。
      至急対応いたしますので今後ともよろしくお願いいたします。

    • 遅くなって申し訳ありません。
      趣味でやっているサイトなので、不定期更新になってしまいます。(仕事の都合などがあるため)
      気が向いたときに見にきていただけるとありがたいです。

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